2008年

3月
4月
5月
帯状疱疹
11月
突発性難聴
12月
脊柱管狭窄症

2007年

1月
アトピー性皮膚炎と喘息
2月
不妊症・不育症から妊娠へ
3月
脱毛症
4月
高血圧症
5月
6月
うつ病と経絡治療
7月
顔面神経麻痺
12月
卵胞の発育不良から妊娠へ
2006年 PDF版 トピックス 2005年
1月 アトピー性皮膚炎
2月 妊娠中の障害から自然分娩
3月 小児の頭痛
4月 子宮内膜症
5月 小児の便秘
6月 陣痛促進穴により自然分娩へ
7月 緑内障
8月 不妊から懐妊・出産へ
9月 氣の守りで出血量が少量に
10月 糖尿病
12月 慢性副鼻腔炎

脊柱管狭窄症 (50歳代の男性)

ー脊柱管狭窄症のため5分程度でも歩けず、整形外科で手術を予定されていましたー

10年近く前から腰に違和感を感じておられましたが、2・3年前からだんだんと歩いていると腰と足に痛みを覚えるようになりました。次第に歩行時間が短くなり、5分も歩けないようになってしまいました。

整形外科を受診しておられましたが、手術の必要性を感じ、整形外科で有名な病院を紹介していただいて受診されたそうです。その結果、本年の年明け早々に手術を受けられるように手術日を決めたそうです。

その後、その方のご家族が当院に治療に来られておられるため、「一度治療を受けてみてはどうか」と言われ来院されました。

初診は、昨年の11月頃でした。初診時は、腰部のみが凍りの上をつるっとすべるような肌触りで、その他は皮膚にざらつきが見受けられました。「いかにも腰がわりいなあ〜」という印象が強かったです。

所定の治療を終え、水分の取りすぎ、冷たいもの等からだを冷やすものの飲食を慎むようお願いをし、初診の治療を終えました。また、からだの様子から週2回の治療を要することをお話し、定期的な治療の必要性をお伝えしました。

週2回の治療を継続していくと、次第に腰と足の痛みが楽になり、治療開始から一月ほどたった頃、「手術をしなくとも治るかもしれないと」感じられ、予定していた手術をキャンセルされました。その後鍼治療のみに専念されました。

治療継続の結果、3ヶ月ほどしてくると当初5分程度であった歩行時間は30分にまで延びていました。腰部の皮膚の感じも大きく変わり、背中全体が同じような艶のある状態へと変化していました。半年ほど過ぎた頃には、日常生活に殆んど支障にない状態になっておられます。

現在も体調管理の目的で来院されておられます。

このようなからだの内部、脊柱内の変化による疾患でも鍼治療によって回復させていくことができるのです。これは、鍼をすることによって人間が本持っている免疫力・自然治癒力を本来の姿に戻していくことの結果なのです。鍼をするということは、その回復力の手助けをするに過ぎませんが、このことが非常に大切なのです。人間の持っている治癒力は、このような疾患でも治していけるパワーを持っています。しかし、一端バランスを崩して発症した疾患はご自分の力だけでは治せなくなっています。そのときにこそ、鍼治療の手助けを体験していただければ幸いです。

突発性難聴 (30歳代の女性)

突発性難聴でめまいを伴う患者さんです。

突然前触れもなく、右耳の聞こえが悪くなり、すぐに耳鼻科へ診察を受けにいったところ「突発性難聴」と診断され投薬を受けました。数日しても難聴にあまり変わりがなく、めまいも強く残った状態でした。そんな中でインターネットで調べ当院に来られたのです。

来院時は、難聴がまだ残っていry状態と、顔を横に振るとめまいがし辛い状態と訴えておられました。その他、手足が非常に冷たく、自覚的にも冷えを強く感じておられます。更に頻繁に胃の痛みを訴えておられました。

初診の治療を終え、体の状態・難聴とからだの冷え・めまい・胃痛の関連性を説明し、継続治療の必要性をお話しました。当初、週2回の通院をお願いし、様子を見ながら週1回の治療へと変えていきました。

当初訴えておられた難聴は、全くなくなり時折顔を横に振ったときに軽いめまいがある程度へと変化していきました。仕事中によく胃痛を起こしていましたが、その回数も次第に減少してきています。今では、殆んど痛みを感じることもなくなってきています。

手足の冷えはまだ完全には解消されてはいませんが、治療中にも温かくならなかった手と足が次第に暖まるようになっています。自覚的にも以前の冷たい感じとは違うとの事です。

今回の治療例のように、早期に治療を開始でkることで難聴の回復を早めることが可能となります。ただ、「突発性難聴」となると耳鼻科を受診するのが当然ですし、あまり変化していないのに投薬を長い期間継続してしまいます。その後、鍼治療となると、回復にどうしても時間がかかってしまいます。しかし、回復していきますのでそのような状態でも、どうぞご相談ください。

帯状疱疹 (70歳代の女性)

左前頭部に帯状疱疹のできた女性です。

当院へ来られる半月ほど前に発症しました。皮膚科へ通院し、投薬を受けていました。しかし、日に日に痛みは増すばかりで、しまいには病院内で激痛のため倒れこむことまであったそうです。このまま続けていても回復の見通しがつかないため、紹介されて来院されました。

初診時は激痛が続いていて、疱疹部は皮膚全体がかぶれ黒ずんでいました。疱疹はすでにつぶれていてかさぷたを形成していました。また、痛みのため食欲もなく眠れない日々が続いていました。そのため腹部はカンゲし力のない状態です。

「回復力を増しながら治療していきます。そうすると痛みもなくなり、かぶれて変色している部分もなくなります。疱疹部も痕が消えてしまいますよ」と説明して初回の治療を始めました。治療を終えるとからだ全体に艶と張りが出てからだが楽に感じられるようになったそうです。

1日置いて来院していただき、様子をお聞きしたところ強い痛みは消え、久しぶりにゆっくり眠れたと喜んでおられました。何日も苦しんでいた痛みが一回の治療で楽になったことに大変驚いておられました。

その後、週2回のペースで来院いただき治療を継続していただきました。帯状疱疹による激痛はなくなりましたが、神経痛のようなツンとした痛みが少し残りましたが、継続していくことでその痛みも殆んど気にならなくなっていきました。更に、かぶれて黒ずんでいた皮膚の色が次第にうすくなっていき、殆んどわからなくなっていきました。つぶれてかさぷたになっていた疱疹の痕も次第になくなっていきました。

少しひりひりする感じは残っていましたが、日常生活には全く支障のない状態にまで回復されています。

現在は、体調管理のため2週に1回の割合で来院いただいています。

鍼治療には一見不向きなような症状でも、治癒力を回復させていくことで痛みが消え、皮膚が元に戻り以前のような生活に戻れます。この治療を通してまた、生命力のすばらしさを体験させていただきました。鍼はちょっとと敬遠される方も多いとは思いますが、困っておられる方のお手伝いが少しでもできればと思っております。

花粉症と経絡治療 −症状の軽減・快復−(40歳代の女性)

今を盛りと花粉が飛び交うさなかですが、多くの方々が花粉症に悩まれマスクをしておられる姿を拝見する機会が多いようです。その大半の方々は、投薬によって症状を軽減されておられると思います。

今月は、そのような中で鍼治療(経絡治療)によっても、症状を軽減・快復されている方々を載せてみたいと思います。

長年花粉症で苦しんでおられ、この時期になると花粉症の強い症状を抑えないと仕事ができないため薬を飲んでおられました。鍼治療は、昨年から定期的に受けておられました。そして花粉の次期に入り、前回までなら薬を服用しなければ症状を抑えられない状態でした。しかし、今回は服用していなくとも激しい症状とはならず楽に過ごせています。目のかゆみ・鼻水等の症状は多少ありますが以前のそれとは全く違うとのことです。

治療するたびごとに出ている症状は取れ、楽になっていきます。なるべくなら薬を服用せずに治したい。出ている強い症状を抑えたいと思われておられる方は多いと思います。鍼によって全身の調整をすることでこれらのことが可能となります。参考にしていただければ幸いです。

この症例とは異なる方ですが、ここ3年ほど花粉症が治まっていたのですが、ことしは再発してしまい目を腫らして来院されました。目が腫れて涙目となり、鼻水もかなりでて辛そうな感じでした。治療を終え症状は楽になり、その後しばらく楽に過ごせたそうです。継続することで生活が楽になっていきます。

中耳炎から難聴に −難聴から回復へ− (40歳代の女性)

ある日突然聞こえが悪くなり、耳鼻咽喉科へ診察を受けにいってみると中耳炎の影響で難聴になったといわれました。本人には、中耳炎の自覚もなく、いつそのような状態になったのかまったくわからないということでした。

数回診察を受けましたが、全く変化がなく、以前当院で受けた鍼を思い出し治せるかもしれないと当院を訪れました。前回治療を受けていた方とは全く別人でした。非常に強い不安を持ち、もしかしたらこのまま聞こえなくなってしまうのではと不安定な状態でした。

そのような状況下で初回の治療を行いました。少し時間が経過していますので1回の治療ですぐに劇的な効果はありませんが、継続していくことで変わっていくことを今回も説明し、二日後に来院をお願いし治療をおえました。やはり表情は曇った状態でした。

二日後に来院されましたが、初回の人とは全く変わった様子で少し笑顔が見えるようでした。問診してみますと、少し全体に軽くなり耳の感じが変わり聞こえがよくなったといわれました。暗いところから僅かではありますが灯りが見えてきたのでしょう。その後治療をしていくたびに難聴が回復していく感じを実感されていきました。

今回の症例は、病症が発症して日が浅かったことが回復への大きな要因だったと思います。治療回数は5回程でしたが、同時期に同じく中耳炎から難聴になられた患者さんが見えられましたが、発症からの期間が開いていたためか、この症例よりも回復に少し時間がかかっていますが回復されています。

また、小児の中耳炎(浸出性)の症例などでも同じようなことがいえるようです。中耳炎ですぐに鍼灸院の門をたたくことには抵抗があると思いますが、鍼による経絡調整によっても治癒へと導いていくことができます。なかなか鍼灸でこのようなことができるとは思えないでしょうが、このような方法もあることを知っていただければ感謝です。

卵胞の発育不良による不妊から妊娠へ(30歳代の女性)

『卵胞期』とは

月経周期を卵巣の変化を中心に分類すると、卵胞期(月経第1日から約14日間)と黄体期(排卵後)となります。卵胞期にはまず原始卵胞の一部はおそらくエストロゲン作用により自動的に発育を開始します。ついでFSH依存的に卵胞が発育、やがて卵胞腔を形成。第8〜9週目頃からは最も早く発育した主席細胞のみが急速に発育します。その後LH作用で排卵に至ります。

この症例は、卵胞期における卵胞の発育が不良のため排卵に至らず妊娠できないというものです。つまり、自力では卵胞を発育させていくことができず、投薬、その後投薬と注射とを併用して治療しておられました。

当初は、投薬は少量から始まりましたが、発育に変化は生ぜず、徐々に投薬量を増やしていったそうです。しかし、投薬のみでは効果はなく、次に注射による治療もあわせておこなわれるようになりました。このような治療をしばらく継続していましたが、卵胞の発育、妊娠とはなりませんでした。

そんな中、当院へ来られました。「卵胞が大きくならずに妊娠できません。二人目の子供がほしいのです。鍼治療で何とかなりますか」と涙ながらに訴えられました。

「以前にも排卵できず妊娠できない人が妊娠されました。排卵できない事情は少し異なりますが、精一杯やってみましょう。時間がかかると思いますが辛抱強く通ってください。少しずつからだが変わってくるのがわかりますから」

「仕事をしているため土曜日のみの治療とさせてください」ということで、週1回の治療を開始しました。

治療開始後4ヶ月ほどたってもなかなか妊娠には至りませんでしたが、からだの調子はいい状態が続くようになっていました。そんな中、「薬を併用しているとどうしてもからだが冷えやすく、妊娠するために必要ないい状態の体にしていくことが少し難しいため、しばらく投薬を休んで鍼治療に専念していただけますか」と思い切って話してみました。少し涙ぐまれながらも「そうしてみたいと思います」といってくださいました。

その後、治療開始5ヵ月後に無事妊娠されました。当初冷えていたからだは温かく変わり、妊娠にふさわしいからだへと変わっていました。

妊娠後しばらくすると、つわりが始まり、その治療もかねて継続治療をしています。現在はつわりも終わり安産のための安産灸を継続しています。胎児も順調に成育し、数ヶ月前の様子とは異なり、笑顔一杯の治療となっています。

顔面神経麻痺(50歳代の男性)  

左顔面の麻痺で病院へ通院されていましたが、なかなか思うように回復せず、紹介されて来院となりました。

左頬から顎にかけて左右差があり、皮膚に張りのない力強さの足りない状態でした。鍼治療は初体験とのことです。また、食事のたびに左側に違和感を感じ、食べたものが口内の左側に残るという感じだそうです。

治療は、本人の仕事の関係で週1回の治療となりました。治療は、積み重ねが大切で少しずつ変化していくことを説明しながら初回の治療を終えました。本人も納得されたようで、毎週欠かさず治療に来られました。その結果、5回ほどの治療で回復され治療を終えました。

この事例のように、数回の治療で治るケースもありますが、もっと多くの治療期間を要するケースも多いようです。でも、この事例のように、経絡治療によってバランスをとり回復力を向上させることで、からだが変わっていきます。その結果、治癒へと導いていきます。現在もこの事例のような顔面神経麻痺の治療や三叉神経麻痺・顔面痙攣といった症状を訴えて来院されている方がおられます。

病院ですぐに完治できるものは問題ありませんが、なかなか直らず辛い日々を送っておられる方がいることも多いと聞いています。このような症状で苦しんでおられる方は、是非鍼治療(経絡治療)を治療のひとつに加えていただき、体験していただきたいものです。

うつ病と経絡治療  - 経絡治療で軽快へ -

子供の頃から病気がちで、鍼治療をしている今が一番調子がよいといわれた症例(40歳代の女性)

病気のデパートとでも言うように多くの病気を抱えてこられました。特にうつ病・低眼圧性の緑内障を訴えての来院となりました。

うつ病に関しては、忙しい仕事の中、心身疲労してしまい朝になると起きれなくなり全く仕事にいけなくなったということです。また、緑内障を伴っていますが、原因のわからぬ目の奥の痛みを訴えておられました。いずれも病院へ通院されていますが、あまりはかばかしくなかったそうです。

「脉診をする鍼師を探していました。東京に行かなければおられないと思っていました。どうして目の奥が痛んだりからだの調子が悪かったりするんでしょう?うつも続いていて仕事が辛いです」との質問がありました。

私なりに東洋的な立場からどうしてそのような症状が出てくるのかをお答えしました。その答えを聞かれて、ほっと安心されたような表情をされたのが印象的でした。

初回の治療を終え、はじめに受けた印象が変わるくらいに声が明るくなられたようでした。定期的に治療に来てくださるようにお願いし、初回の治療を終了しました。その後週2回の割合で来院され、次第に元気になられました。目の奥の痛みも殆んどなくなり、前向きな様子となったようです。

ところが職場が変わり、更に忙しい状態に拍車がかかり、仕事内容も全く変わったため一から覚えなければならない状態となりました。そのため、うつの症状が消えていたのにまた再発し、以前よりも症状が強くなり、仕事にいけなくなってしまいました。

「朝起きれないんです。仕事に行かないとと思うのですが駄目です」かなり辛い様子です。

「心配しなくていいですよ。少し時間はかかりますが、また戻っていきますから大丈夫です。十分頑張っていますから。今のこの時間も大切なんですよ」

その後、治療を継続していきました。次第に表情も明るさを取り戻し、仕事に戻れるようになっていきました。しかし、仕事の忙しさに代わりがなく、心身の調子がよい状態に戻たため、職場を変わるという決断をすることができました。

現在も定期的に治療にこられていますが「子供の頃から具合が悪く、運動もできない子供でした。鍼治療を受けた今が、私の人生の中で一番調子がいいのです。ありがとうございます」と、感謝されました。

今回のように、うつ病のような精神的な疾患には鍼治療(経絡治療)というイメージがわかないでしょう。鍼治療といえば痛みを伴うものにというイメージが定着しています。しかし、氣を扱う経絡治療にとっては適応症ともいえるものなのです。うつ・精神疾患は氣の変動から生ずるもっとも典型的な症状なのです。これは古典の昔から書かれています。

現在少しずつではありますが、この症例のような方々の来院される数が増えてきています。このような治療によっても大きな効果が期待されます。回復がどうもよくない、なかなか軽快していかない等、感じておられる方は、一度体験してみてください。鍼治療のイメージが変わりますよ。

さかご治療 その後陣痛促進穴で自然分娩へ

初産を帝王切開で出産され、二人目を自然分娩したいと願った症例(30歳代後半の女性)

初産でさかごとなり、いろいろやってみられたそうですが、結局さかごは治らず帝王切開にて出産された。めでたくお二人目を授かったが今回もさかごとなり、助産院から紹介され当院へ来られました。

当初は、さかごの治療ということで来院。さかご治療のほうは、私の経験上妊婦さんのお腹の状態・妊娠週から診て容易に治すことが出来ると思われました。数回の治療でさかごは戻りました。その後、「安産灸を続けていきましょう」ということで状態を診ながら1週間から2週間に1回の割合で来院していただき、治療を継続していただきました。

治療を継続していますと「一人目は帝王切開での出産だったので、二人目は何とか自力で出産したい」と打ち明けられました。「ただ、帝王切開で出産された場合は、次の出産時にも安全を確保するため帝王切開になるケースが多いようです。私のできることはやっていきますから、自然分娩に向けて調整していきましょう。臨月に入る前に産科の先生に、自然分娩したいという強い思いを話してください。その上で、産科の先生にもご協力してもらいましょう」

その後、産科の先生の許可がもらえ、自然分娩に向けて治療を継続しました。但し、条件として「出産予定日を過ぎたときには帝王切開になります」と言われました。

臨月に入り、治療間隔を週1回に戻し、予定日の10日前からは週2回の治療となりました。特に出産予定日の1週間前から背部に出る“陣痛促進穴”の様子を見ながら予定日に強い陣痛が起こるようにと治療を継続しました。その結果、予定日二日前に背部の反応がいい位置に現れ、そこに所定の治療を加えて治療終了となりました。

無事予定日の出産となりました。翌日、連絡をいただきました。「とっても楽な出産でした。初めての自然分娩でしたが、皆が驚くほど短時間の安産でした。どうもありがとうございました」

最近良く聞く話として、今回のようなケースが多いとお聞きします。つまり、一人目の出産を何らかの事情で帝王切開となり、二人目の妊娠で今回はどうしても自然分娩したいということです。1回目が帝王切開になる理由はいろいろあるでしょうが、その中のひとつとして“さかごの問題・微弱陣痛の問題等”があると聞いています。どうしても、鍼治療には抵抗があるとは思いますが、今回の例のように成功するケースが多いのです。すべてが成功するわけではありませんが、それでも多くの手助けが出来ると思っております。

今回の症例を通して、鍼治療の良さを少しでもわかっていただければ幸いです。そして、多くの妊婦さんの手助けが出来ればと願っております。

高血圧症(60歳代の女性)

長年高血圧のため抗圧剤を服用していましたが、服用していたにもかかわらず血圧が高くなってしまい、肩から胸にかけて痛みが出るようになりました。特に、心臓が痛むような感覚を覚えたそうです。

抗圧剤を服用していても、急に血圧の上昇すること方がおられます。時折こういう方が治療に診えられ、体調を戻されるケースがあります。今回のケースは、そんな中でも体調を崩され、特に心臓が痛いという表現をされたということで、紹介させていただきます。

当院へは紹介されて来院されました。早速、問診し脉診をしましたら硬く沈んだ状態です。また、頸部から肩にかけて硬く張り、「いかにも血圧が高い人だなぁ」と思わせるような体の状態です。鍼治療は初体験ですので、すこし説明しつつ初回の治療に入りました。治療後、硬くて沈んでいた脉は柔らかく少し浮いた状態に変わっていました。「硬くて沈んでいる脉の状態が、柔らかく浮いてしまった脉に変わっていきます。長い間、薬を服用されていますのですぐには難しいですが、少しずつ近ずけていきます。そうなっていきますと、次第に血圧も安定し痛みもひいてきますよ」

当初、週2回の来院をしていただきましたが、2週間後には5日おきに1回の割合で来院していただきました。

治療開始から3週間ほど過ぎて、訴えておられた心臓の痛みはなくなり、苦しかったからだの不調も整ってきました。この頃から週1回の治療に切り替え、以後しばらくの間、体調の調整に来院いただきました。

初診時に感じていた痛みや体調不良はなくなり、血圧も安定しています。このケースのように、高血圧のため抗圧剤を服用されている方は多いようです。しかし、服用しているにもかかわらずなかなか血圧が安定せず、急に高くなる方々も多いと聞いています。

本来なら、薬を服用しなくても良くなるまで治療できるといいのでしょうが、これはなかなかいろんな意味で難しいといえます(理想論で言えば、治療を続けていきたいものですが)しかし、このケースのように、苦しいときにそのお手伝いができ、生活等の指導が出来たりします。それによって、少しでも血圧の安定化を図り、楽に生活を送れるようにお手伝いできればと思っております。どうぞ血圧を安定させるために鍼治療(経絡治療)も活用いただければと思います。

脱毛症(30歳代の女性)

数年前にも脱毛症で苦しんでおられたのことでしたが、病院で治療して大分改善したとのことでした。しかし、今回は病院での治療の甲斐なく変化が現れず、思い切って鍼治療をしてみようと来院されました。

診察しますと、頭皮の約4分の1ほどに髪の毛が無くかなりの状態でした。本人は日ごろウイック(かつら)を使用しています。問診しながら手足を触ってみますと冷えてかなり湿っています。肩は硬く盛り上がった状態です。

「時間はかかりますが、少しずつ戻ってきます。しばらく辛抱してください。他の症状もあわせてよくなってきます身体が元気であることが大切ですから、食べ過ぎず少しずつ動きましょう」

仕事の都合上1週間に1度のペースでの治療となりました。来院のたびに、肩こりや胃腸の具合の悪さを訴えられていましたが、次第に胃腸の状態も改善され元気になっていかれました。このようにその都度訴えられる症状をとりながら、全身調整を行い続けていきました。3ヶ月目に入った頃から少しずつ変化が現れ、本人もその変化がわかってきたようです。この頃から少し明るくなられたようでした。

このように治療を継続していき(仕事の忙しい時期には少し間隔が空くことはありましたが)次第に髪の毛の量は多くなっていき、頭皮の空間がかなり狭くなっていきました。この頃から、もっと早く改善したいとの本人の気持ちもあり、病院との併用となり、薬の服用をするようになりました。半年ほどたって、見た目にはわからないほどになり、体調も合わせて、大分改善されたようです。

よく100円玉くらいの神経性の脱毛は治療する機会はありますが、今回のように広範囲の脱毛はなかなかお目にかかる機会はありませんでした。でも、治療を辛抱強く継続していくことで、体質の改善とその結果として回復していくことを実証できました。人間の回復力の強さにあらためて驚かされています。

 

不妊症・不育症から妊娠へ

黄体化未破裂症候群から妊娠へ(30歳代前半の女性)

『黄体化未破裂症候群とは?』

詳しい説明をここでおこなうことは出来ませんが、わかりやすく書いてみましょう(詳しいことが知りたい方は個別に「黄体化未破裂症候群」で検索してください)

黄体とは、排卵した後の卵子を覆っていた袋が黄体化し、黄体ホルモンを産出して高温期を作り出しための大切なものです。この黄体が卵子を排卵できずに、卵子を含んだまま黄体化していくことを「黄体化未破裂症候群」と呼びます。そのため基礎体温上は高温期を作り出すのですが、実際の黄体ホルモン量は少ない状態になっています。まして、排卵できていませんので妊娠できないことになります。

結婚してからなかなか妊娠できず、産婦人科で検査したところ『黄体化未破裂症候群』と診断され、初めて妊娠できない事情を知りました。産婦人科では妊娠できるようにするため通院を勧められましたが、友人の紹介で当院に来られました。

私にとってもはじめての病名との出会いです。でも、体の冷え等バランスの変動が大きく、経絡調整をやることでからだは必ず変わりますので、そのことを念頭に置きながら治療を開始しました。

手足は冷えて氷にでも触るような感じです。しかも、冷たく湿っています。このからだを変え、患者さん御自身の体が正常な排卵を導き出せるように治療をしていきました。湿って冷たかった手足は次第に変わっていきました手は治療が終わる頃には暖かく変わるようになります。足はなかなか暖まりませんでしたが、はじめに感じた氷のような感じは全く無くなっています。また、硬かったお腹も次第にふっくらと柔らかくなっていきました。

このように治療を始めてからからだは確かに変わっていきました。そんな中、治療を始めてから4ヶ月程たった頃、いつもと全く違う脉の状態を呈し、「ひょっとしたら妊娠かも知れない」と思うような印象を受けました。本人にそのことを告げ、治療を終えました。1週間後の予約をして治療院を後にしましたが、予約日に電話連絡があり、「つわりがひどくとても治療院まで車で行くことが出来ません」とのキャンセルの連絡でした。

つわりはとても辛いですが、非常にめでたく、うれしい連絡となりました。

このようなケースでもからだは自然な方向へと変わろうとしています。経絡治療をすることによって、その力を助長し、自然な状態へと導いていくことが出来るのです。自然な状態へとは、人間として誰もが持っているもの、生理的な機能のことです。そして自然な形での妊娠が導かれました。

 不育症(3回の流産)から妊娠へ(30歳代前半の女性)

『不育症』

過去いずれも妊娠8週目で流産となりました。特に3回目の流産後、極端に生理時の出血量が減り、生理の期間も三日程度で終わってしまうようになってしまいました(初日は少し多めですが二日目三日目は殆んど無い状態)ひどいときには1日で生理が終わるときもあったそうです。

当院へは紹介されて来院されました。手足は冷えていて、共に冷たく湿っています。腹部も硬くやや冷えています。診察しながら食事についての注意をし、初回の治療に入りました。

治療後、冷えて湿っていた手は、暖かく変わりましたが、足は暖まりませんでした。それでも湿り気は取れていました。治療間隔は、仕事の都合もあり週1回の治療を継続していきました。

生理時の出血量は一進一退を繰り返していましたが、次第に増えていくようになっていきました。生理の期間も3〜5日間をいったりきたりでしたが、少しずつ伸びていくようになりました。もともと消化器系統に弱みを持っておられ、以前ダイエットで体調を崩されたことがあるといっておられました。そんなこともあって冷えが強かったのかもしれませんね。

治療を継続していくと、氷にでも触ったように冷たかった手足は、少しずつ温まり、足部も暖かいと言うほどにはいかなくとも冷えきっている状態ではなくなっています。また、全体の皮膚(特に下肢)も艶と張りが出てきました

このように、手で触れ目で見えるところはずいぶんと変化が出ています。この変化はからだの内部に於いても良い方向に変化をもたらしています。そのことは生理の状態に、子宮内部の環境にも大きな変化をもたらしています。その結果、無事妊娠することが出来ました。そして関門の8週をクリアーして元気で胎児は育っています。つわりは少しきついですが、胎児の元気な様子を確認でき、辛さの中にも安心感も同居する日々を送っておられます。

不妊治療で来られる患者さんから良く聞きますが、不妊関係の雑誌に「鍼灸治療が効果的」と書いてあるそうです。そのような記事を見て、当院へ来られる方も多いです。記事にあるように実際に鍼灸治療、特に経絡治療は効果が高いです。記事を見て不安視される方も多いとは思いますが、一度行動をおこしてみませんか。

 

アトピー性皮膚炎と喘息(20歳代後半の女性)

子供の頃からアレルギーとしてアトピー性皮膚炎と小児喘息の両方を発症していました。症状が出てくるとその都度薬で症状を抑えてきたそうです。症状が強ければステロイド剤を使用していたそうです。

当院へは、紹介されて来院されました。皮膚は全体がやや黒ずんでいます。また痒みが強く、ストレスや疲労により更に悪化し首の周り、各関節等に発症してきます。

治療は本人の仕事の関係で週1回しか来院できず、「気長に治療していきましょう。次第に楽になってきますから」と説明し、定期的に来院していただけるようにお願いしました。当初は本人体質から(虚体)慎重に治療をしていましたが、それでも治療後少し疲労感を感じると言うことで、よりドーゼ(治療量)に気をつけながらの治療となりました。

このようなアトピーと喘息を併せ持ち患者さんの特徴として、喘息が優位に発症しているときは、アトピーによる痒みはあまり感じられなくなっています。ですからその都度その病体に従った治療となります(経絡治療に場合は、改めてこんなことを書く必要は無く、その都度病体に従った証に応じて治療することになりますが)

治療開始から半年ほどして、喘息発作は殆んど影を潜め気にならなくなってきました。アトピーに関しては、痒みが体調の変化により出たり出なかったりを繰り返していました。しかし、その後次第に痒みも出なくなってきました。ただ、疲れすぎや、食事面での不摂生が続くと少し痒みは出てきますが、以前のように強くなく皮膚の状態も安定しています。

現在も(治療開始から1年を過ぎていますが)定期的に体調管理に来院されています。

近年、この治療例のようにアトピー性皮膚炎と小児喘息と持っている幼・小児が増えています。このような症状を持っているお子さんのご両親は心配が絶えないことと思います。薬付けにはしたくない。さりとてなすすべが無い。そのような状態だと推察いたします。でも、この例のように改善していきます。お子さんの治癒力に期待してください。その治癒力を引き出すために、経絡治療による鍼治療も考えてみてください。

 

慢性副鼻腔炎(小学校4年生の男の子)

小学校の低学年の頃から鼻炎気味で、耳鼻科に通っていたそうです。春には学校で検診がありますので、毎年のように鼻炎を指摘され、耳鼻科に行って診察を受け、治療をするよう指示書を受け取っていたそうです。ですから、毎年のように春先には治療を受けていました。しかし、なかなか良くならずそのうちに通院をすることが続けられなくなっていきました。次第に、鼻炎から1年中鼻が詰まるようになり、鼻で呼吸が出来ないほどになって行きました。診断も鼻炎から副鼻腔炎に変わり、常に鼻の奥のほうに鼻水が溜まっているように感じられ、鼻が重く感じられるようになっていったそうです。

そんな中、紹介されて来院しました。ベッドに横になってもらい口を閉めて呼吸をしてもらったところ、鼻のみで呼吸することがかなりきつく、顔の近くに私の耳を近ずけても呼吸音が殆んど聞こえない状態でした。

「時々眉毛の上辺りが痛くなることがあります」「おそらく副鼻腔炎の関連でその部に重い感じの痛みが出てくるんでしょう。慢性的になっていますので時間がかかりますが、鼻が通るようになりますから辛抱強く通ってください。当初は週2回から始めて、様子を見ながら週1回の治療となります」

手足は冷えて少し湿っている感じです。また、皮膚全体も湿りがちのようです。この皮膚の状態が変わっていくことがひとつの目安にはなります。所定の治療を終え、少しからだのことについて説明を加え、初回の治療を終えました。その後、辛抱強く母子共に治療に通ってくださいました。そんな中で、少しずつ変化が現れてきました

少しずつ鼻での呼吸が出来るようになってきました。注意深く鼻での呼吸音を聞いていますと、詰まっている中で、鼻から空気が出入りしている音が聞こえ出しました。日によってこの音の大きさは違っていますが、確実に鼻で呼吸が出来つつあります。また、眉毛の上辺りの重い痛みも時折出てきますが、治療をしますと楽になり痛みを感じなくなってきました。

治療を始めてから半年以上たった頃から今度は鼻血が出るようになってきました。これは副鼻腔炎が治っていく上で大事な症状なのです。副鼻腔内の炎症が取れてくるためのしるしなのです。このことを説明しつつ、「もう少しの辛抱ですから通院頑張りましょう」

その後、眉毛の上の痛みは全く感じなくなり、口を閉めて鼻のみで呼吸が出来るようになりました。初めは全く鼻呼吸が出来ませんでしたが、鼻の奥の違和感・眉間の痛み等が消えて後、普通に呼吸が出来るようになりました。

ここまで、1年を超える期間がかかってしまいました。もっと短期間で結果を出さなくてはいけないのでしょうが、慢性的な副鼻腔炎はどうしても時間がかかってしまいます。もっと早く治癒させるためにも私自身の努力は当然のごとく必要ですね。ただ、この症例を通して辛抱強く治療を継続する必要性を少し感じていただければ幸いです。

糖尿病 血糖値を下げる鍼治療の働き

50歳代前半の女性

病院で検査したところ、血糖値が300を超えているとの診断が出され、今すぐに薬を服用するか、食事に気をつけて来月もう一度検査をしてからにするかと言われたそうです。

ご本人は何とか薬の服用をせずに治したいとの思いが強く、それならと当院を紹介されて来院されました。

問診したところ、血糖値が300を超え、鍼治療で治したいとの希望が強く、薬の服用は避けたいとのことでした。食事の内容をお聞きしながら、「鍼治療で血糖値は下げられますが、根本的に治していくには食事のこと、生活習慣のことを改める努力が必要です。双方が良い方向に向かうことで、より早く解消されていきます。一緒に頑張りましょう」とお話しました。

まずは、一ヵ月後の検査で血糖値が100台の前半まで下がっていることが大切です。それに向けてやっていきましょう。週2回の治療から始めました。

ご本人も何とかしたいとの思いが強く、私のお話した食事の内容に沿って頑張っておられました。その結果、検査の結果、血糖値は130程度にまで下がり、本人は大変喜んでおられました。

「私の経験からも短期的には頑張れますが、これが長期にわたるとだんだん出来なくなってきますから、時折緩めながら続けていきましょう。もうしばらく週2回の治療を続けてください」

その後、二ヶ月目の検査で血糖値は103まで下がりました。今後は二ヶ月に一回の検査となり、ご本人は大変喜んでおられました。当然身体は痩せてきて、顔のほほが少し落ちてくぼんだ感じになっています。以前のふっくらとした体つきとは変わりました。

その後半年ほどたって、少しの油断と食べないで大丈夫かとの不安もあってか少し依然の体つきに戻りつつありました。血糖値は140程度に上がっています。

「ここが頑張りどころですね。もう一度はじめの頃のことを思い出しましょう。現代は食べ過ぎて失敗してしまいます。疲れているから、栄養をつけなければ、痩せて来ると人から心配されるから、食べないとげんきがでない・・・・は、間違っています。無理して食べることでかえって、体の元気を失っているのです。もう一度ご自分の身体で体験しましょう」

現在も治療を継続しておられます。そして時々「先生の言うような食事をしていると、体が軽く元気が出ます。時々失敗はしますが」

でも、時々食べないといけないのではとの一般常識にとらわれて失敗をしておられるようです。誰しもが思うことかも知れませんが。

食事のことでもし質問等ありましたら、お問い合わせからご連絡ください。お答えできることは、返信させていただきます。

氣の守りで手術時の出血量が少量に

今年の2月に、妊娠中の障害から自然分娩した治療例を書きましたが、この患者さんの出産後に腹部手術した例から、気の守りによる手術の成功を他の例も交えながら書いてみたいと思います。但し、これはあくまでも私(鍼師サイドから見たものですが。

自然分娩を無事済ませ、半年ほどたってから検査を繰り返し、最終的に卵巣の炎症から腹部に水がたまり、その量が1リットルにも達していたそうです。医師曰く「良くこれで自然分娩できたな。よく破れなかったものだ」薄い膜のようなものの中に青黒くにごり、どっろとした液体があったそうです。

出産後も腹部内の水の状態は変わらず、検査結果から手術をして水を抜いたほうがいいとの結論が出たそうです。そのため、手術前に治療を受けたいと3回ほど来院されました。

「氣の守りが強くなりましたから、手術を受けても出血量は少なく抑えられ、術後の快復も早くなりますよ」と言って3回の治療を終え、手術の日を迎えました。1週間後退院し、当院に来られました。

「とっても出血が少なくてびっくりしました。担当してくださった先生が、上司の先生に褒められていたんです。こんなに出血が少なくて良い手術だったと。本当に先生の言うとおりでした。ありがとうございました」

このように、経絡治療により氣の調整をしっかりと行うことで免疫力を高いところで保持し、各部の守りが強められ、その結果手術時の出血が抑えられているのです。このような結果は、今回の症例だけではありません。子宮筋腫、帝王切開でも経験しています。そして、共に術後の快復がよいのです。

子宮筋腫では、鍼治療で筋腫を小さく抑えますが、ケースによっては手術を勧める場合もあります。また、逆子で来られて大半は逆子を治し、自然分娩へと導いていますが、ケースによっては難しい場合もあります。特に、出産予定日が近く硬く小さなお腹の方などは難しくなります。ただ、いずれの場合も次のようなお話をさせてもらっています。「これまでの治療は決して無駄ではないですよ。治療をすることで氣の守りが強まられ、手術時の出血が抑えられ、その結果術後が大変楽になります。安心してください」と。

経絡治療による効果の一面です。

不妊から懐妊・出産へ(30歳代前半の女性)      

    

赤ちゃんがほしいと紹介されて来院されました。2回ほど治療をしましたが、その後治療の継続とならず、半年ほどたった頃、再度連絡を頂、治療の再開となりました。問診しますと、「産婦人科で治療を受けていましたが、妊娠出来ませんでした。どうしても赤ちゃんがほしいのです。鍼治療を続けたいと思っていますのでよろしくお願いします」「今までの経験から半年はかかると思いますが、辛抱して通ってください。体は必ず変わっていってくれますよ」

仕事の関係で週に1回程度の治療となりますが、出来るだけ来院をお願いして治療を再開しました。

治療を始めますと、手・足は冷えていて湿り気を帯、お腹は全体的に堅く、小柄で細い体形をしています。全体から受ける印象は、虚体という感じでした。週1回の割りで治療を継続していきますと、次第に湿っていた手・足が温かく乾いた感じに変わっていきました。この間、生理痛・腰痛・体のだるさ等を訴え来院し、その都度軽快して治療を終えていました。

治療を初めて3ヶ月ほどたった頃から、硬いお腹が柔らく変わってきました。この変化は、単なるこの部だけの変化だけではなく、腹部内臓の変化が起こっている証拠なのです。冷たい手・足は内臓の冷えをあらわし、冷えて機能低下しているために腹部が硬く冷たくなっているのです。つまり、お腹の硬さが取れてきたということは、体が温まってきているということをあらわしています。ここでようやく妊娠しやすい状態を作り出してきているといえるでしょう。

半年ほどたって「先生、妊娠しました。ありがとうございます」 「おめでとうございます。大事にしていきましょう。これからも定期的に治療を続けてください。安産の治療をしていきましょう。共に元気で出産を迎えましょう」

その後つわりが強く、治療を続け、無事つわりの時期を乗り越えました。安定期に入り、落ち着いた日が続いていましたが、妊娠7ヶ月頃からお腹が張り出し、仕事もなかなか休めないため余計にはったようです。その都度、治療をしてお腹の張りを取りながら、仕事もなお、続けていました。しかし、冬に入り遠方からの通院なので治療に来ることが難しくなり、お腹の張りがだんだん強くなっていったようです。結果的に、出産予定日よりもかなり早く入院し、出産に備えたようです。その後、今年の1月に無事元気な男の子を出産されました。

臨月に入って、治療が出来なくなリましたが、無事出産されたと聞いて少しは責任を果たせたかなと思っております。赤ちゃんがほしいがなかなか恵まれない方が増えています。そんな中で少しでもお手伝いできたことは、私にとっても大変嬉しいことです。「鍼を受けてみようかな」と迷っている人がおられると思いますが、まず始めてみませんか。一歩踏み出すことで、新たに見えてくるものがあるかもしれません。思い切って重い腰を上げてみませんか。

緑内障 眼圧の低下と視野欠損の修復(60歳代後半の男性)

体調がすぐれず、なかなか眠れないと来院された患者さんでしたが、問診の中で緑内障があることを云われました。「眼圧が高めで、視野の欠損が出てきています。定期的に眼科で視野の検査を受けています」

「緑内障も含めて治療していきましょう。眼圧も次第に下がってきますから、まずは体調を整えつつ、全身を調整していきましょう」低眼圧性の緑内障のようです。来院当初の眼圧は20前後でした。

当初は、週2回の治療から始め、1ヶ月程経過してから体調を診ながら、週1回の治療に切り替えました。治療はその時々、肩こり・右肘の痛み・腰痛・眠りずらい等訴えを主としながら全身調整を継続していきました。

そんな中、治療を開始してから半年ほどたって、眼圧検査を受けたところ、20前後あった眼圧が13程度に下がっていました。その後、体調により多少の眼圧の上がることはありましたが、比較的安定した状態が続いていました。1年ほど経過して、視野検査を受けたところ今まで見えていなかったところが少し見えるようになって、視野が広がっていました。まだ完全な状態ではありませんが、少しずつ体が変化していい状態を作り出しているようです

今年に入り、春に視野検査を受けたところ、はっきりと視野狭窄が緩和され、視野が広がっています。患者さんもびっくりしておられました。「鍼って不思議ですね」「そうですね。鍼をして全身をと整えておくことによって、体は悪いところを修復しつずけています。体の力を信じていきましょう。そのためにも、体調を整えておくことが大切ですね」

現在も体調管理のため、週1回治療に来られています。その都度、少し症状が出ることがありますが、それらをその治療ごとに解決しながら体を整えておくことで、今も修復が体内で続いています。この体の作用に期待しつつ、これからも治療を継続していくことになります。現在は、眼圧9と安定しています。本人曰く、眼圧が一桁になったのは始めてのことだそうです。

陣痛促進穴により自然分娩へ(30歳代前半の女性)

出産予定日を五日ほど過ぎても全く陣痛もなく、子宮口も開く気配も無いため、このままだと帝王切開になると医師に言われ、何とか自然分娩したいと来院されました。「初めての出産です。何とか自然分娩したいのでお願いします。ホームページを見ました。よろしくお願いします」

「わかりました。今日ははじめての治療ですから少し軽めの治療になりますが、それでも陣痛が来るようになります。ただ、初めてですから陣痛促進穴には鍼を入れません。次の治療に鍼をつけることにしましょう」

初回の治療を始め、所定の治療を終えました。火曜日に来院されましたので、次回の来院を金曜日にと思いましたが(本当は木曜日が適当なのですが、定休日なので)、患者さんは明日にしてほしいとのことで、翌日の来院となりました。実は翌週の月曜日には入院が予定されていましたので、少しでも早くしたいという気持ちが互いに働いていたようです。

翌日来院。「昨日の夜、初めて御印がありました(陣痛)。本当にびっくりしました。子宮口が開いていませんが大丈夫でしょうか」「大丈夫ですよ。前にも同じような方がおられました。全く陣痛もなく、子宮口も開いていない方でお医者さんも出産はもうしばらく先です。といわれていましたが、陣痛促進穴を使うことで、治療の二日後には安産で出産された例がいくつかありますよ。安心してください」 2回目の治療に入りました。所定の治療を終え、三陰交に施灸を終えて、深呼吸をし、いすに腰掛けいざ、陣痛促進穴を探りました。陣痛促進穴は良い位置に現れており、円皮鍼を貼付して治療を終えました。

「翌日か、翌々日には陣痛がきます。陣痛が頻繁に来るようになるまで、背中についている鍼をはずさないでください。強い陣痛が頻繁になったらはずしてください」と伝えて、金曜日の予約を一応取っておきました。

金曜日の朝、電話連絡が入り「陣痛が頻繁になり、病院に来ました。予約はキャンセルさせてください」との一報でした。その後、なかなか子宮口が開かない様子で、出産は月曜日に変わったばかりの時間帯になったそうです。後日、患者さんから連絡が入り「なかなか子宮口が開かず、破水が始まってからあっという間に出産となりました。安産でした。背中の鍼をもっと長く着けていたら、更に早く出産できていたかも知れませんね」との喜びの電話となりました。

以前にも何度となく経験していることですが、そのたびにからだの不思議を感じてしまいます。もういつでも出産はOKとのサインが現れて、教えてくれるのです。このように少しは安産のお手伝いが出来ることは、私にとっても大きな喜びです。もし、このようなケースで困っておられる方、おられましたなら参考にしてください。

小児の便秘(2歳の女の子)

生後、母乳で育て順調に排便していたが、離乳食を始めた頃から排便できなくなっていました。その後改善されると思いつつ、様子を見ていましたが、一向に自力で排便することが出来ず、ついに小児科を訪れることとなりました。

小児科では、便が出さないため、お腹に長くためておくことはあまり良くないと、浣腸を使って毎日便を出すように指示されました。

浣腸を使いつつ、様子を見ていましたが、一向に自力で排便することができず、困っていたそうです。

そんな中、小児はりというものがあり、いいよというアドバイスもあり、当院を紹介され来院されました。

最初に治療室に入ってくる様子を見ていたら、元気な普通な女の子と言う感じです。ベットに乗ってもらい今までの様子を聞きながら体全体を切診しました。お腹は浣腸で排便させているので張っている感じは全くありません。

胸部に皮膚のざらつきが目立っています。更に手・足を触ってみますと非常に冷たく、足は湿っています。胃の上あたりを触って見ますと、少しざらつきがあり、軽く按圧しますと僅かに胃の硬さが感じられました。そのため食事に対する注意を与え、特に子供たちが大好きなカレーとかハンバーグとか胃を硬くし、体を冷やす食品はなるべく避け、ご飯を中心に取るように指示しました。

更に、毎日使用していた浣腸を、様子を見ながら、一日おきか三日に一回の割で使ってみてはと提案しました。

自力排便に向け、少し便座に座る習慣をつけるという大切な意味があります。つまり、毎日同じ時間にトイレに行くことを勧めました。

初回の治療を始めつつ、これからの目安と体の変化について説明し、少し、気長に治療を受けていただくことをお話しました。胸部のざらつき・手足の冷え、特に足の冷えて湿っている状態の改善と体全体の変化についての関係を説明しました。

当初一週間に二回の治療からはじめました。治療を始めて3回目で始めて自力で排便することが出来ました。しかし、その後、なかなか排便できず、様子を見ながら浣腸を使い排便してもらいました。

当初は、便座に座って力むということがなかなかわからず、治療中に何度となく、やってもらいながら練習しましたその後次第にコツをつかめるようになっていきました。

治療開始から一ヶ月ほどたって、たまに自力排便が出来るのですが、単発でなかなか効果が上がっていない感じとなり、

「小児はりは効かない」ということを聞いたとの周りの人からの話もあり、少し不安になったようですが、説得をしつつ治療を続けました。

治療開始から二ヶ月ほどたってから、周りの人のアドバイスもあり再び小児科を受診。丁度、浣腸の使用によって肛門付近に痛みが出、そのため麦芽糖に切り替えたとのことでした。切り替え当初、自力排便が出来ましたが、次第に出来なくなり、週一回の鍼治療もあわせて継続していくこととなりました。

浣腸を使っていた頃にも、肛門付近の便は非常に硬い状態ですが、その奥は柔らかい状態の便があるという比較的良い状態があったようです。

治療開始後、五ヶ月ほどして改善が見られ二日に一回の割合から、次第に毎日排便できるようになり、便の状態も良い状態が続くようになっています。

無事完治し、幼稚園への入園となりました。

なかなか結果が出ない中で、治療を継続していただくことは非常に難しいことだと思います。そんな中、継続治療をしてくださった今回の事例のご家族に感謝いたします。

体質の改善には時間がかかります。信じて継続することの大切さを知っていただけた事例として書かせていただきました。

ちなみに、この女の子の湿って冷たい足は改善され、湿り気はなくなっています。

 

子宮内膜症(20歳代半ばの女性)

20歳になってから急に生理痛が激しくなり、生理のたびに鎮痛剤を服用しなければ仕事ができないほどになりました。

当初は、特に気にせず病院へは行かず、市販の鎮痛剤でその場をしのいでいたそうです。しかし、生理の度に痛みは強く、年を追うごとに益々強くなっていったそうです。しまいには生理の痛みでえびのように丸くなり動けない日も出てきたそうです。

そんな中結婚され、義理のお母さんの紹介で当院に来院されました。

問診しますと、「高校生の頃には生理痛はあまり感ずることはなく、こんなに痛みを感じるようになったのは20歳を超えてからです。生理不順はありません」「一度婦人科で検査を受けたほうがいいとの家族の勧めで検査を受けたところ、子宮内膜症と診断されました。鍼は初めてですが、治りますか」と答えられました。

「手足が冷えています。これは体の中が冷えていることと同じです。子宮内膜症等婦人科疾患は、この冷えによって引き起こされて発祥し、悪化して行きます。鍼をすることで体の芯から暖めて症状を改善し、治していきます。初めのうちはあまりわからないかも知れませんが、定期的に通院してください。比較的早いうちにわかるようになりますよ」

初回の治療時に手足が冷えて冷たかったのですが、治療を終える頃にはどちらも温まりびっくりされていました。

当初、週2回の治療からはじめました。ご家族の理解もあり、比較的通院しやすかったことも完治に導くための大きな要因となります。

治療当初かなり痛みの強かった生理痛は、時には鎮痛剤を服用しても仕事ができなかったほどでした。

治療を始めて3ヶ月頃から次第に痛みが和らぎだし、鎮痛剤を服用しなくとも動けるようになっていました。この頃から治療を週1回に改め、引き続き治療を継続しました。

経絡治療の見方から、治療当初、痛みの激しい状態の時期には「肝経の邪実が目立ち、鎮痛剤の服用をしなくとも楽になった時期には、邪実は消え、肝経の虚に変わっています」

鎮痛剤の服用については、体に悪影響を与えることを話し、なるべく常用しないように注意しました。もちろん、痛みの強いときにはこの限りではありませんが。

ほとんど生理痛も感じなくなった、治療開始から6ヶ月程たった頃、「先生、赤ちゃんができました。ありがとうございます」

朗報が舞い込みました。「それじゃ、もう少し治療をして終わりましょう。その後、つわりが辛いときには、また来てください。おめでとう」

生理痛はほとんど消え、子宮内膜症も改善されたようです。しかも、おめでたい待望の第1子です。

この辺で、当初の目的を終えたので、治療を終了いたしました。

その後、つわりがきついため、来院され数回の治療をして、つわりを楽にし、つわりの治療を終えました。

「妊娠中、何か問題が起きたらすぐに来てください。そんなことがないことを祈っていますよ」

初めにもお話しましたが、婦人科疾患はそのほとんどが「冷え」によって引き起こされ、そして悪化していきます。どうか冷え性の方は、これ以上冷やさぬよう御気お付けください。

小児の頭痛 ( 4歳の男の子)

車に乗ったときや疲れている時等、決まって額のあたり・こめかみのあたりに痛みがでるお子さんです。お医者さんに連れてはいっていますが、なかなか治りません。お母さんが当院の治療を受けていまして、治療中に「子供が頭が痛いとよく言うんです。鍼で治りますか」と訪ねられました。

「額の辺りが痛むのは、胃・腸の影響です。食べすぎか、お腹が冷えているからですよ。一度連れてきてください鍼で治しましょう」

お母さんと一緒に来院。ベット上に寝てもらい話を聞きつつ体全体を切診。痩せていて皮膚全体につやが出すぎている状態です。手・足は湿り冷えている状態です。

「これは冷たいもののとり過ぎです。これだけ冷えていたら頭痛が出ますね。特に冷たい飲み物・体を冷やす食べ物はできるだけ避けてください。それから食べ過ぎに注意してください。そうすればもっと元気になり頭痛もなくなってきます。鍼治療をすれば早く治るでしょう。手・足の湿り気も治りますから少しかよってください」

初回の治療を終え、気持ち良かったのか笑顔一杯で治療院を後にしました。

その後週1回程度の治療を行い、数回で頭痛は全く出なくなりました。手・足の湿り気も以前のように強くはなく、ほとんど感じられなくなりました。

時々頭が痛いという子供さんがこられますが、その大半が額からこめかみ辺りの頭痛です。どうかこのあたりの痛みを訴える子供さんには、冷たいものは禁物です。できるだけ暖かいものを与えてください。確かに頭痛を安易に考えすぎてはいけないでしょうが、こういう事例も大変多いのです。参考にしていただければと思います。

 

妊娠中の障害から自然分娩(30歳代半ばの女性)

一人目のお子さんも妊娠中に鍼治療を受けて出産された方で、妊娠三ヶ月に入って来院されました。

「お腹が痛くて辛いです。どうもお腹に水がたまっているようです。病院で検査を受けていますが、原因がはっきりしません」早速、問診しつつお腹を触ってみますと、どう見ても妊娠六ヶ月のお腹に見えます。三ヶ月のお腹には見えませんでした。下腹部を軽く押し付けますと痛みが出、腹腔内に水の貯留が伺えました。「医学的には原因がはっきりしていなくても、東洋医学では体全体を捉えて治療しますから大丈夫ですよ。治療しながら痛みをとっていきます。それと一緒に お腹の赤ちゃんの成長と自然分娩ができるようにやっていきましょう。お医者さんに診てもらいながら鍼もあわせて治療していきましょう」

初回の治療を終えるとゆがんで張っていたお腹がふっくらと軟らかく変わり、痛みも和らいで楽になっていました。この患者さんは、遠方からこられるため病院の通院にあわせて月2回の治療となりました。

妊娠五ヶ月に入ると痛みも落ち着き、安定した状態が続きました。初めは卵巣に水がたまっているらしいと言われていましたが、どうも以前手術した虫垂炎のところに問題があるのではといわれ始めましたが、結局のところ出産後調べてみないとわからないという結論のようです。

安定した状態が続き、妊娠9ヶ月に入り自然な分娩を導くため週1回の治療を継続しました。お腹に水がたまり産道を圧迫していて、自然分娩ができなくなる可能性が高いとの医師の言葉から治療間隔を短くしたものです。

臨月に入り、背部の「陣痛促進穴」の反応も現れましたので、反応部に適切な処置を加えて治療を終えました。無事赤ちゃんは水を押しのけて自然分娩で出産しました。

このところ、妊娠中にいろんな問題で来院される妊婦さんが増えています。鍼治療と聞きますと二の足を踏む人が多いとは思いますが、頭の片隅にでも鍼治療のことを置いてください。

 

アトピー性皮膚炎( 小学校1年生の女の子)

生後間もなくアトピー症状が出、いくつかの病院へ行ったり良いと聞いた療法を試してみたりしてきたそうです。しかし、いずれもあまり効果がなく症状は悪くなるばっかりだったそうです。

痒みが強く、夜には特に掻き壊し母子ともに眠れぬ日を過ごしてきたそうです。当院へは以前アトピー性皮膚炎で来院されていたお子さんのお母さんの紹介で来院されました。

服を脱いでベット上に横になってもらうと、全身の皮膚は黒ずんでいて、首周り・肘・膝等はっきりと皮膚炎が見受けられました。特に、腹部は皮膚が硬くごわごわした感じが強く、腹部にできるしわは全く軟らかさがない状態でした。「時間はかかりますが治っていきますから辛抱強く通ってください。見た目にも変化がわかりますから、信じて通ってください」と説明しつつ、初回の治療を終えました。家庭の事情もあり、週1回の治療を続けました。

初回の治療から約3ヶ月目に入った頃から腹部の状態がはっきり変わり、硬かった状態から普通の状態に変わりました。お腹にできるしわも全く硬さが消えていました。それまで出ていた体の痒みもそれほど出なくなり、皮膚炎の出ていた所も消えてきれいになっていました。

季節の変わり目や強いストレス等で時折皮膚が少し荒れますが、あまり長く続かずにきれいに戻ります。全身の状態を診ながら2週間に1回の治療となり、良い状態を維持しています。

治療を開始して一年半程して、いったん治療を終え、その後は様子を見ながら不定期で治療をしていくことになりました。初めて治療を受けた時の状態とは雲泥の差です。

アトピー・喘息等アレルギー疾患は、治療を始めてから比較的長い期間を要することが多い疾患です。ですから、安易に「短期間で治りますよ」とはいえません。今回のケースもそうですが「一年ほどかかりますから、辛抱強く通っていただけますか。変化がはっきりわかるようになりますから」とお話させていただいております。そうは言いながらもっと早く治るケースも多くありますが、これらの疾患はどうしても継続治療が必要なため、事前にあえてお話させていただいております。